はじめに
T55/VG PT55VGP-BJA にて「画面が表示されない」「画面を閉じたり角度を変えるとたまに表示される」といった症状のご相談をいただきました。ノートパソコンでは、このような症状は液晶パネルだけでなく、液晶ケーブルや接続部分のトラブルが原因となるケースがあります。
今回の診断では、液晶パネルとマザーボードをつなぐ LVDS LCDケーブルの断線が確認されました。ケーブル交換修理を実施したところ、画面表示が正常に戻ることを確認しています。あわせて、メモリ容量が少ない状態だったため、動作安定のためメモリ増設も行いました。
同じ症状が出ていないか確認
以下のような症状が出ている場合、今回と似た原因の可能性があります。
・電源は入るが画面が真っ暗
・パソコンは起動しているが画面が表示されない
・画面を開閉すると表示されたり消えたりする
・液晶角度を変えると映る
・外部モニターでは映るが本体画面が表示されない
・画面が一瞬だけ表示される
・画面がちらつく、表示が不安定
このような場合、液晶パネルではなく液晶ケーブル(LVDSケーブル)や接続部の断線が原因になっていることがあります。
お問い合わせ内容
お客様からのご相談内容は以下の通りです。
・画面が表示されない
・画面を閉じると、たまに表示される
ノートパソコンでは、画面の開閉時にヒンジ付近でケーブルが曲がる構造のため、長期間の使用でケーブルが劣化するケースがあります。
そのため今回は、液晶パネル、ケーブル、接続部を中心に診断を行いました。
機種情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | TOSHIBA(dynabookシリーズ) |
| 機種 | T55/VG PT55VGP-BJA |
| OS | Windows10 |
| 補足 | ノートパソコン |
このシリーズは一般的なノートパソコン構造のため、液晶ヒンジ部分を通るケーブルが長年の使用で劣化することがあります。
現象確認
実機確認では、以下のような状態が確認されました。
・電源投入時に画面表示が出ない
・画面角度や開閉で表示される場合がある
・起動自体は行われている様子
・表示が安定しない
これらの症状から、
・液晶パネルの故障
・液晶ケーブルの断線
・接続コネクタの接触不良
などの可能性が考えられました。
点検・診断結果
今回の診断では、液晶周辺のハードウェアを中心に確認しました。
液晶表示系統の確認
以下の部分を順番に確認しました。
・液晶パネル
・液晶ケーブル
・マザーボード側コネクタ
・ヒンジ周辺のケーブル状態
診断の結果、LVDS LCDケーブルの断線が確認されました。
LVDSケーブルの断線
LVDS LCDケーブルは、マザーボードと液晶パネルを接続するケーブルです。
ノートパソコンでは、画面の開閉動作によってヒンジ部分でケーブルが繰り返し曲がるため、長期間使用すると内部で断線が発生することがあります。
今回の症状である
・画面角度によって表示される
・画面を閉じると表示される
といった挙動は、液晶ケーブル断線の典型的な症状と一致していました。
技術的判断
今回の診断では、以下の点が重要な判断材料となりました。
| 確認項目 | 状態 |
|---|---|
| 起動状態 | OSは起動している |
| 表示状態 | 不安定 |
| 画面開閉による変化 | 表示が変わる |
| 液晶ケーブル | 断線確認 |
液晶パネルが完全故障している場合は、画面角度を変えても表示が戻ることはほとんどありません。
しかし今回のケースでは、画面の開閉によって表示状態が変わることから、
・液晶パネル故障
ではなく
・液晶ケーブル断線
の可能性が高いと判断しました。
想定される原因
今回のような症状の原因として、以下のようなものが考えられます。
1 LVDS液晶ケーブルの断線
今回確認された原因です。
ヒンジ部分で長年曲がることにより、内部配線が断線することがあります。
2 ケーブル劣化
断線までは至らなくても、ケーブル内部の導線が劣化し接触不良になるケースがあります。
この場合も画面角度で表示が変わることがあります。
3 コネクタ接触不良
液晶パネルやマザーボード側のコネクタが緩むことで、表示が不安定になることがあります。
4 液晶パネル故障
今回のケースでは該当しませんでしたが、液晶パネル自体の故障でも表示トラブルは発生します。
対応内容
今回実施した作業は以下の通りです。
・LVDS LCDケーブルの交換修理
・液晶表示の動作確認
・Windows起動確認
交換後は
・画面表示が正常
・表示のちらつきなし
・開閉による表示不具合なし
であることを確認しています。
また、診断の過程で
・メモリ容量が4GBのみ
であることを確認しました。
Windows10環境では動作が不安定になることもあるため、
・メモリ4GB増設(中古・動作確認済)
を行い、合計メモリ容量を増やしています。
再発防止・運用アドバイス
液晶ケーブル断線は完全に防ぐことは難しいですが、以下の点が参考になります。
・画面の開閉はゆっくり行う
・ヒンジ部分に強い力をかけない
・片側だけで開けず、中央から開く
・長期間使用している場合は早めの点検
ノートパソコンのヒンジ部分は、内部にケーブルが通っているため、無理な開閉が続くとケーブル寿命を縮める可能性があります。
同じ症状で起きやすい別原因
画面が表示されない症状は、以下の原因でも発生することがあります。
・液晶パネル故障
・GPU不具合
・マザーボード故障
・バックライト故障
・表示ドライバの問題
・液晶インバータ故障(旧機種)
そのため、同じ「画面が映らない」症状でも原因は毎回異なります。
同じトラブルの原因解説
今回のような症状については、以下の記事でも解説しやすい内容です。
・ノートパソコンの画面が映らない原因
・液晶ケーブル断線の症状
・画面を動かすと映るノートパソコンの原因
・液晶パネル故障との見分け方
まとめ
今回のT55/VG PT55VGP-BJAでは、画面が表示されない症状が発生していました。
診断の結果、液晶パネルとマザーボードを接続する LVDS LCDケーブルの断線が確認されました。
ケーブル交換修理を実施したところ、画面表示は正常に戻り、Windowsも問題なく起動することを確認しています。
また、メモリ容量が4GBと少ない状態だったため、4GBメモリを追加し動作の安定性も改善しています。
同じ症状でお困りの方へ
今回のように
・画面が表示されない
・画面を動かすと映る
・ノートパソコンの画面が真っ暗
・起動はしているが表示されない
といった症状は、液晶ケーブルの断線や表示系統のトラブルが原因の可能性があります。
当店ではこのような
・ノートパソコンの画面表示トラブル
・液晶ケーブル交換
・液晶パネル診断
・起動トラブルの切り分け
にも対応しています。
宅配修理にも対応しておりますので、同じような症状でお困りの際はお気軽にご相談ください。
